ハンガリー人が模索するハンガリーの姿:「カメムシ」政権の誕生とハンガリーのこれから
「一歩ずつ、レンガ一つずつ、国を立て直す」。これは、ハンガリーの新政権を獲得した政党ティサ(Tisza)の党首マジャルが、政党発足から2026年4月12日の選挙で圧勝するまでに繰り返してきたスローガンである。 この一連の流れで注目に値するのが、現在に至るまで16年間政権を握り続けてきたオルバン率いるフィデス(Fidesz)支持層とティサ支持層の間の温度差である。ティサ支持者らが「新しい時代の幕開け」を喜ぶ中、フィデス支持者らがただの敗北感とは結論づかないような反響の中にいるのを肌に感じるのは気のせいではない。外国メディアで報道されるのは最終的な結果のみとなりがちだが、その裏には国と次世代の先行きを大きく左右しうる激しい論争があったことを、主に国内の状況に着目して深堀りしようと思う。 フィデス政権が16年続いた構造 ティサ支持が広がっていった背景として、長年にわたる汚職問題の存在は無視できない。フィデス政権に対しては、公共調達やEU資金の運用をめぐる構造的な汚職が指摘されてきた。具体的には、公共調達が特定の企業グループに集中しやすく、国家およびEU資金の配分プロセスの透明性が低